QC7つ道具 パレート図について

品質管理

こんにちは、かじつとむです。

だいぶ前ですが、QC7つ道具についての概要をまとめました。

今回はQC7つ道具の1つであるパレート図についてより詳しく解説します。

この記事を読むことで以下のことがわかります。

  • パレート図とはどういうものなのか理解することができる
  • パレート図の作成方法について理解できる

それではいってみましょう!

QC7つ道具 パレート図について:パレート図とは

パレート図とは、不具合件数や損失金額といった現象や原因などで分類したデータを、データ数の多い順に棒グラフで並べ、かつ、その累積比率を折れ線グラフであらわした図です。

例として、プレス部品の不具合件数をパレード図でまとめたものを示します。

パレート図は、横軸に不良の項目、左側の縦軸は不良件数や金額、右側の縦軸には累積比率(%)をあらわします。

プレス部品の不具合件数のパレート図を見ると、傷と打痕の不具合の割合で84%占めていることがわかります。

このように、問題や原因を絞り込んだり、効果の確認をするときにパレート図を使います。

パレート図の概要がわかったところで、次はパレート図の作り方について解説します。

QC7つ道具 パレート図について:パレート図の作り方

パレート図の作り方は以下となります。

  1. パレート図をつくる目的を明らかにする
  2. 分類項目を決めデータを収集する
  3. データを整理する
  4. 棒グラフを作成する
  5. 累積比率による折れ線グラフを作成する

それぞれの手順について解説します。

パレート図の作り方 その1:目的を明らかにする

パレート図を作るのに、まずは何を明らかにしたいのかを決めます。

たとえば、ある工程の不良の状況を知りたいといった現状把握や溶接のどの部分にスパッタが発生するのかといった不具合のある現象に対しての詳細を調べるといったような、目的を決めます。

パレート図の作り方 その2:分類項目を決めデータを収集する

目的を明らかにしたら、次は分類項目を決めデータを収集します。

分類項目はたとえば、不具合項目や不具合の部位別といった結果で分類する方法と作業者、機械、材料、作業方法といった要因で分類する方法があります。

また、分類項目は一般的に5〜10個程度とし、データを取得する数は50個以上収集することが望ましいです。

分類項目が決まったら、データを収集していきます。
データを収集する際には、QC7つ道具の1つである調査用チェックシートが有効となります。

調査用チェックシートについて知りたい方は以下のリンクからどうぞ!

以上が、分類項目を決めデータを収集する方法となります。

パレート図の作り方 その3:データを整理する

データを収集が終わったら、そのデータを整理します。

まず、データを整理しやすくするためにデータの大きい順に並び替えます。
今回の場合、件数が大きいものを上から順に並べていきます。

次にそれぞれの項目に対して累積数を記入していきます。
累積数とは、データを大きい順から足していった値です。今回の場合では、件数の大きい順から足した結果を件数の右に記入します。

累積数を記入し終わったら、累積比率を計算します。
累積比率は以下の計算式から求めます。
$$ 累積比率 = 累積数 \div データの合計 $$
たとえば、傷と打痕の累積比率は$ 144 \div 171 \fallingdotseq 84.2% $となります。
この累積比率を累積数の右に記入します。

最後にデータが少ないものはその他としてまとめます。

以上が、パレート図を作るためのデータの整理です。

パレート図の作り方 その4:棒グラフを作成する

データの整理が終わったら、いよいよパレート図を作成していきます。

まず、パレート図のベースとなる棒グラフを作成します。

まず、棒グラフの縦軸と横軸を設定します
今回の場合、項目を横軸、左の縦軸に不具合の件数といった形で設定します。
このとき、項目の横軸はデータの大きい順に並べておきます。

縦軸と横軸を設定したら、それぞれの項目について件数の棒グラフを作成します。
このとき、各棒の幅は同じにし、棒の隙間はあけないように作成します。

以上がパレート図を作成する際の棒グラフの作成方法となります。

パレート図の作り方 その5:累積比率の折れ線グラフを作成する

棒グラフを作成したら、そのグラフ上に累積比率の折れ線グラフを作成します。

まず、右の縦軸に累積比率を設定します。

次にそれぞれの累積比率を左の縦軸に当てはめながら、点を打っていきます。
この点は、各項目の棒の右線(もしくは棒の右線の延長線上)に沿って点を打っていきます。
また、最初の点は一番左端の不具合件数の0点を、最後は一番右上の累積比率100%の点を打ちます。

それぞれの点を左から順番に折れ線を引きます。この折れ線を累積曲線またはパレート線といいます。

以上で、パレート図の作成は終了となります。

QC7つ道具 パレート図について:まとめ

いかがでしたでしょうか?以下まとめです。

  • パレート図とは、不具合件数や損失金額といった現象や原因などで分類したデータを、データ数の多い順に棒グラフで並べ、かつ、その累積比率を折れ線グラフであらわした図
  • 問題や原因を絞り込んだり、効果の確認をするときにパレート図を使う
  • パレート図の作り方は、「パレート図を使う目的を明らかにする」「分類項目を決めデータを収集する」「データを整理する」「棒グラフを作成する」「累積比率の折れ線グラフを作成する」という5つの手順

みなさんも、この記事を読んでぜひパレート図について理解したり、作成してみてくださいね!

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最後までこの記事を読んでいただきありがとうございました!

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