QC7つ道具 特性要因図について

品質管理

こんにちは、かじつとむです。

前回、QC7つ道具についての概要をまとめました。

今回はQC7つ道具の1つである特性要因図についてより詳しく解説します。

この記事を読むことで以下のことがわかります。

  • 特性要因図とはどういうものなのか理解することができる
  • 特性要因図の作成方法について理解できる

それではいってみましょう!

QC7つ道具 特性要因図とは

特性要因図は、問題に対して影響を及ぼしていると考えられる要因を魚の骨のような図でまとめる手法のことです。

特性要因図の例を以下に示します。

特性要因図では、右側に特性を書き、その要因を矢印で分解していきます。
この時、1つ1つの要因に対してなぜそうなるのかを考えていき、最終的に最も小さい要員となるまで分解していきます。

特性要因図の特性とは仕事や工程から生み出された結果を示します。
たとえば、「溶接した部品の寸法不良が多い」「商品の組み立て工数が長い」などが特性となります。

特性要因図を使用する目的は、特性と要因の因果関係を追求することです。
特性と要因の因果関係を追求し、示すことで取り組んでいるテーマの方向づけや、意思統一ができるようになります。

また、特性に対してなんで特性が起こったのか、どうしてその要因になったのかをすぐに理解できるようにまとめることができます。

以上が特性要因図の概要となります。

QC7つ道具 特性要因図:要因を考えるコツ(4Mで考える)

要因を考えるコツは、4Mで考えることです。

4Mとは、人(Man)・機械(Machine)・材料(Material)・方法(Method)の頭文字をとったもので、品質管理をする上で必要な要素のことをいいます。

人(Man)は、作業者や管理者のことを指します。
すべての作業や仕事は人によって質や量が変わっていきます。

たとえば、作業者や管理者の能力や知識、技術力によって仕事の出来栄えが変わってきたり、人数や人員配置によって、仕事をこなせる量が変わってきたります。

このように人の能力や知識、人数や人員配置等が特性の要因として考えることができます。

機械(Machine)は、ものをつくるための設備であったり、付随しているパソコンや通信機器のことを指します。
設備の動かし方や配置、保全の仕方によって仕事の質や量が変化していきます。

たとえば、設備の操作性が悪ければ仕事の効率が悪くなったり、配置が悪かったり、スペースが狭ければ、仕事をスムーズに行うことができません。
また、設備の保全ができていなければ、本来の品質を確保することも難しくなっていきます。

このように機械の操作性や配置、スペースや保全状態から特性の要因を考えることができます。

材料(Material)は材料そのものであったり、製品をつくるための部品のことを指します。
材料が悪ければ、せっかく正しい手順で製品をつくったとしても品質を確保することができません。

材料そのものの悪さやどこで買っているのか、流通手段はどうなっているのかという観点で材料を考えると要因を考えやすくなります。

方法(Method)は作業方法のことです。
作業方法によって、効率良く仕事ができるようになったり、品質の良い製品をつくりだすことができるようになります。

たとえば、マニュアルや手順書がしっかりしており、抜け漏れなくその通りの作業ができれば、品質を担保できる製品をつくれるようになります。

また、製品をつくるための条件を定めることや仕組化することで、人の能力差や特有の技術に頼ることがなく、一定の品質で製品をつくることができたりします。

このように、マニュアルや手順書の出来栄えや製品をつくるための条件や仕組みから特性の要因を考えることができます。

以上のように、4Mで大きな要因を考えて、深掘りをすることで特性の要因を整理しながら考えることができます。

QC7つ道具 特性要因図:特性要因図の作り方

特性要因図の作り方は以下の6つの手順となります。

  1. 問題となる特性を決める
  2. 特性と背骨を記入する
  3. 大骨の要因を記入する
  4. 要因の掘り下げる
  5. 要因に漏れがないかを確認する
  6. 要因の影響を評価する

それぞれの手順について解説します。

特性要因図の作り方 その1:問題となる特性を決める

まず問題となる特性を決めます。

これは、問題となっている特性を「何に問題であるのか」「どこに問題があるのか」「どのような問題であるのか」といったところを具体的にして、決めていきます。

また、特性はみんながわかるような言葉であらわします。
みんながわかる言葉で特性をあらわすことで、要因に分解しやすくしたり、要因を深掘りしやすくしたり、要因の抜け漏れを防ぎやすくすることができます。

特性要因図の作り方 その2:特性と背骨を記入する

特性を決めたら、特性要因図のベースとなるように特性と背骨を記入します。
特性を右に書いて、左から右へ特性まで太い矢印を背骨として書きます。

特性要因図の作り方 その3:大骨の要因を記入する

特性と背骨を記入したら、大骨の要因を記入します。

大骨は2番目に太い矢印を背骨に向かって記入し、要因を背骨に対して矢印の反対側へ記入します。

特性が製品に関わることであれば、4Mを使って要因を記入するとまとまりが良くなります。
場合によっては、4Mに追加して測定環境を入れても良いです。

また、製品をつくる工程の順番で要因を記入する方法もあります。

特性要因図の作り方 その4:要因を掘り下げる

大骨の要因を記入したら、要因を掘り下げていきます。

具体的には、大骨の要因に対して「なぜ」を繰り返して、より細かい要因に分解していきます。
また、この細かい要因を、中骨、小骨、孫骨として記入していきます。

納得できる要因となるまで、深掘りをしていきます。

特性要因図の作り方 その5:要因に漏れがないかを確認する

要因を掘り下げたら、要因に漏れがないかを確認します。

具体的には、製造業であれば設計や生産技術、現場の人と意見を交わしながら要因の漏れを確認していきます。

このようにいろいろな人を交えながら、要因の漏れを確認することで、さまざまな視点で特性を見ることができます。

漏れのあった要因に対しては、再度掘り下げていきます。

特性要因図の作り方 その6:要因の影響を確認する

要因の漏れを確認したら、要因の影響を評価していきます。

これは、特性要因図で出てきた要因に対して、何を調査すればいいかを確認して、実際に調査していきます。

調査した結果から影響が大きいと判断できる要因を選びだすことができれば、その要因に印をつけて特性要因図の完成となります。

QC7つ道具 特性要因図について:まとめ

いかがでしたでしょうか?以下まとめです。

  • 特性要因図とは、問題に対して影響を及ぼしていると考えられる要因を魚の骨のような図でまとめる手法
  • 特性要因図を使用する目的は、特性と要因の因果関係を追求すること
  • 特性の要因を考えるコツは、4M(人・機械・材料・方法)で考える

みなさんも、問題に対して特性要因図をぜひ活用してみてくださいね!

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最後まで、この記事を読んでいただきありがとうございました!

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