こんにちは、かじつとむです
前回は工場で行われる検査の概要や役割による検査の種類について解説しました。
今回は、工場で行われる検査個数による検査の種類について説明します。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
- 検査個数別の検査方法について知ることができる
- 検査方法による注意点について理解することができる
それでは、いってみましょう!
検査個数別の検査方法の種類
検査個数による検査方法の種類は大きくわけて5つあります。
- 全数検査(すべてを検査する)
- ランダムに抜きだす抜取り検査(サンプルで検査)
- 特定の位置から抜きだす抜取り検査(サンプルで検査)
- 間接検査
- 無検査
それぞれの検査方法について説明します。
検査個数別の検査方法 その1:全数検査
全数検査は、すべての製品を1つずつ確認して合否判定する検査です。
1つ1つの製品を検査し、不良ゼロを確実に行うことで製造品質を確保します。
場合によっては1つの製品に対して2回、3回行う検査もあります。
この検査を200%全検、300%全検といったりします。
全数検査では、とにかく不良を流さないようにするための検査です。
そのため、全数検査をやっていればお客さんに製造品質を保証することは可能です。
一方で、すべての製品を検査するための時間がかかるため、コストを考えると全数検査はおすすめできません。
コストを下げつつも製造品質を維持するために他の検査方法があります。
検査個数別の検査方法 その2:ランダムに抜きだす抜取り検査
ランダムに抜きだす抜取り検査は、ある同種のまとまり(ロット)の中から、統計学に基づく個数をランダムに抜取り、検査して合否判定する検査です。
この検査では、不良数がある一定以下の場合はロットはすべて合格とし、不良数がある一定以上であればロットは不合格と判断します。
ロットが不合格となった場合、その救済策としてロットを全数検査します。
このとき、良品は次工程へ流し、不良品は手直しして良品にするか廃棄します。
以上より、ランダムに抜きだす抜き取り検査は、ある程度の数の不良品が次工程に流れてしまうこと仕方がないという前提です。
工程内検査に多いて、全数検査のコストが廃棄や手直しのコストよりも大きくなる場合や、製品を破壊しなければできない検査場合、ランダムに抜きだす抜取り検査は有効な手段となります。
検査個数別の検査方法 その3:特定の位置から抜きだす抜取り検査
抜取り検査は特定の場所、たとえばロットの最初と最後の製品を検査して合否判定をする検査です。
この検査では、ロットの最初と最後の製品を検査し合格であれば、そのロットはすべて合格として次工程に流します。
この検査方法は、主にプレス機などの製造品質が安定する加工時に適用されます。
安定した加工であれば品質の影響はほとんどないため、特定の位置から抜きだす抜取り検査はコストの面でも有効な手段だといえます。
検査個数別の検査方法 その4:間接検査
間接検査とは、材料や部品を購入したときに、材料や部品を提供したメーカーが検査を実施し、その結果を確認する検査です。
材料や部品を提供したメーカーは出荷検査成績書を作成してもらい、それに基づいて購入仕様書を使って確認します。
1つ1つの部品の組み合わせによって商品がつくられるため、間接検査を行うことは時間や労力を減らす上でとても大切な考え方となります。
一方で、過度な間接検査を材料や部品を提供するメーカーに行ってしまうと、その作業コストを売価に含まれてしまい、コストがより大きくなってしまうこともありますので注意が必要です。
検査個数別の検査方法 その5:無検査
無検査は、意図があっての検査を行わないことをいいます。
これは、品質管理をしないということではありません。
たとえば、量産立ち上げ時に品質が極めて高くかつ技術的にも統計学的にも不良が出る可能性が極めて低い場合に限り無検査を適用します。
無検査を適用できれば、検査コストを最も下げることができます。
しかし、無検査を適用するまでに膨大なデータや技術、実績等が必要となるため極めて難しいとされています。
検査個数別の検査方法の種類:まとめ
いかがでしたでしょうか?以下まとめです。
- 個数による検査方法は、「全数検査」「ランダムに抜きだす抜取り検査」「特定の位置から抜きだす抜取り検査」「間接検査」「無検査」の5つにわけられる
- 全数検査は、すべての製品を1つずつ確認して合否判定する検査
- ランダムに抜きだす抜取り検査は、ある同種のまとまり(ロット)の中から、統計学に基づく個数をランダムに抜取り、検査して合否判定する検査
- 特定の位置から抜きだす抜取り検査は、ロットの最初と最後の製品を検査して合否判定をする検査
- 間接検査とは、材料や部品を購入したときに、材料や部品を提供したメーカーが検査を実施し、その結果を確認する検査
- 無検査は、意図があっての検査を行わないこと
みなさんも検査にも個数について考える検査もあるということをぜひ知っておいてください。
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最後までこの記事を読んでいただきありがとうございます!
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