こんにちは、かじつとむです。
製造業で働いているなかで工程能力やCp・Cpkという言葉を聞いたことがあると思います。
なかには、「工程能力が1.33未満だから管理をもっと徹底しよう」「Cpkを1.33になるように工程設計をしよう」ということも言われたりもします。
しかし、はじめて工程能力やCp・Cpkという言葉を聞いてもいまいちピンとこないと思います。
そんな人のために、今回は工程能力やCp・Cpkについて説明します。
この記事を読むと以下のとこがわかります。
- 工程能力について理解できる
- Cp、Cpkの違いについて理解できる
- Cp、Cpkを計算することができる
それではいってみましょう!
工程能力 Cp Cpkとは:工程能力とは
工程能力とは、製品の工程が管理状態にあるときに、その製品の品質がどのくらい達成できるのかを示す能力です。
ここでいう工程が管理状態にあるという意味は、品質のばらつきが正規分布であることを示します。
正規分布とは平均値がデータの中央値に存在し、かつデータが均等にばらつく分布のことをいいます。
正規分布をもっと知りたいという方はこちらの記事からどうぞ!
工程能力は品質の達成度を示していますので、これらの良し悪しを比較する必要があります。
品質の良し悪しを比較するために、工程能力を数値化して表したものを工程能力指数、Cp・Cpkといいます。
では、Cpについて次に説明します。
製造業における工程能力 Cp Cpkとは:Cpとは
Cpとは工程が完全に管理されているなかで、工程能力を数値化したものになります。
Cpは製品規格の上限と下限に対して、品質データの標準偏差で表すことができます。$$ Cp = \frac{規格の上限値 ー 規格の下限値}{6 × 標準偏差} $$Cpは1.33以上であれば十分な品質を担保できる値となります。
ここで、Cpの「工程が完全に管理されている」とはどのようなことを示すのでしょうか?
これは、工程で得られる品質データの平均値が、必ず規格の上下限値のちょうど中央にあるということを示します。
しかし、平均値が規格の上下限値のちょうど中央にあるわけではありません。
その場合にCpk値を使用します。次はCpk値について説明します。
工程能力 Cp Cpkとは:Cpkとは
Cpkとは平均値に対して、規格の上下限値の中央からのズレを考慮した時の工程能力を数値化したものになります。
Cpkは規格の上限値・下限値それぞれに対して計算します。
上限値・下限値に対して品質データの平均値と標準偏差を使って表すことができます。
$$ Cpk(上限値) = \frac{規格の上限値 ー 平均値}{3 × 標準偏差} $$ $$ Cpk(下限値) = \frac{平均値 ー 規格の下限値}{3 × 標準偏差} $$
上限値と下限値に対してCpk値を計算し、これら2つの値を比較して小さい方を採用します。
Cpkも1.33以上であれば十分品質を担保できる値となります。
工程能力 Cp Cpkとは:工程能力指数の使い方
最後に工程能力指数の使い方について説明します。工程能力指数に対する工程能力の判断を以下にまとめます。
工程能力が1.67以上の場合、工程能力は十分すぎるという評価です。
この場合、多少の品質ばらつきに対しても特に問題がないといえます。
また、品質管理を簡潔にしたり、品質に対する費用を下げることを考えても良いかもしれません。
工程能力が1.33以上・1.67未満の場合、工程能力は十分であるという評価です。
この場合は工程における理想の品質を作っているということなので、この状態を維持することが大切です。
工程能力が1.00以上・1.33未満の場合、工程能力は十分ではないがまずまずの能力であるという評価です。
この場合、工程の管理状態を維持する必要があります。
また場合によっては工程の管理を見直してより厳格な管理を行う必要もでてきます。
工程能力が0.67以上・1.00未満の場合、工程能力は不足しているという評価です。
この場合は不良品が発生している状態となっています。
そのため、全数チェックや工程の管理を改善等の対策が必要となります。
工程能力が0.67未満の場合、工程能力は非常に不足しているという評価です。
この場合はとても品質が管理できている状態ではありません。
なので、品質状態における原因究明等を緊急で行い、工程能力を良くする必要があります。
場合によっては、工程そのものを変更する必要があります。
工程能力 Cp Cpkとは:まとめ
いかがでしたでしょうか?最後にまとめます。
- 工程能力とは、製品が管理状態にあるとき、その製品の品質はどのくらい達成できているのかを示す指標
- Cpとは、工程が完全に管理されているなかで工程能力を数値化したもの。製品規格の上下限値と標準偏差のみで計算できる。
- Cpkとは、平均値に対して製品規格の上下限値の中央からのズレを考慮した工程能力を数値化したもの。上限値と下限値に対して平均値・標準偏差を用いて計算し、より小さい方を採用する
製造業で働いている人はぜひ品質管理の用語を理解しながら、より良い品質を目指していきましょう!
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